司法書士の歴史

わが国における司法書士の歴史は、長い鎖国の時代が終わって、欧米の文化や制度がさかんに流入するようになった明治時代にはじまります。すなわち、明治5年に太政官が発した法令によって、司法職務定制が定められ、後の司法書士、弁護士、公証人といった、裁判制度を円滑にすすめるための職種が設けられることになったのです。
当時、現在の司法書士にあたるものは代書人とよばれており、裁判所に提出する書類や登記に関する書類、これら以外の書類をあわせて、依頼に応じて作成する業務に就いていました。しかし、大正8年に司法代書人法とよばれる法律が制定され、代書人のなかでも司法に関わるもの、一般に関わるものが分離されて、ここから司法書士と行政書士といった、ふたつの系譜にわかれることとなりました。
昭和2年には、それぞれの地方裁判所単位で存在していた司法代書人会が集まり、任意加入ではありますが、全国組織としての日本司法代書人連合会創立という運びとなりました。この司法代書人という名称が改まり、司法書士という名称になったのは、昭和10年のことになります。
戦後の昭和25年には、新たな司法制度の下での司法書士法が施行され、国の監督権を一部排除してより民主的なしくみに生まれかわり、認可試験制度もはじまりました。昭和31年には各地域の司法書士会と、全国組織の日本司法書士連合会が設立され、それぞれの司法書士を強制加入させる制度が導入されます。また、昭和53年にも司法書士法が改正され、国民の権利保護という目的が法律上も明確化されたほか、国家試験制度や登録制度が導入されるようになり、現在に至っています。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です